書評:考察する若者たち

書評

皆さまこんにちは。水壁です。

本日は久しぶりの書評1になります。もしよろしければ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

考察する若者たち

今回は三宅 香帆氏著の「考察する若者たち」になります。

少々前に流行った一冊ですね……最近読む時間の確保が間に合わなくなってきました2が、流行の一冊も押さえていきたいところです。

考察時代とは言い得て妙で

AIの出現3、ショート動画、SNSの発展などなど。現代は報酬を短期で受け取ることのできるコンテンツで溢れています。

まあコレはドーパミン中毒など色々な問題を起こしているものでもあるのですが、ここで重要なのは答えが得られる確証があるコンテンツが発展しているという点です。

無類の小説好き、活字中毒4な私はあんまり短期的な報酬を求めると言われてもピンとこないところがあるのですが、確かに即物的な報酬があるコンテンツ、あるいは努力の最短性といわれると納得する節があります。

SNSの発展、発信できるコンテンツの発展とでも言いましょうか、成功者をよく見るようになり、反対にありありと現実を突き付けられることで、無駄に対しての嫌悪感というものも強くなったのではないかと思います。

こういった現実に対して、ある種答えを求めるコンテンツの楽しみ方として「考察」があると著者は論じております。

論ずるだけあってサブカルコンテンツがぽろぽろ出てくる

本書では、一般に知られている有名どころの作品や、サブカルコンテンツの代表みたいなVTuberまで、さまざまな作品群から現代の考察文化がどこから出てきたのか、どういう理屈なのかを考えた道筋5をたどることが出来ます。

まあ……正直お固めな本で委員長6の名前が出てくるとは思いませんで……目に入ったときはギョッとしたものですがこれはこれで信頼できるというもの。サブカルコンテンツ代表をきちんと履修7している人なら少なくともご高説垂れる学者様よりは聞こえがいいというものですよ。

No More “無駄な努力” Yes “適切な努力”

前述のとおり、本書内では主にどうして「考察」が流行るのかを考える上で、答えを見出す傾向である点を重視しています。

コレは、情報化社会において、ある種の完成系を常に見せ続けられ、常に自分の上位互換8を示され続ける現代ならではの考え方ではないでしょうか。

現代はある種ディストピアと言えるでしょう。誰もが情報を発信し、受け取れるようになったことで、「情報の網羅性」というべきものが改善し、底辺の底上げに成功しています。

反面、「行き渡るべきでない情報」まで網羅性を獲得しています。例えば環境の違い、才能の違い9、そして、時代の違いなど、覆すことのできない初期環境の情報まで流れたうえで、そこまでの道筋を明示されてしまいます。

故に現代では「ある程度の答えを知っている」状態で自分がいかに報酬を獲得できるか、という情報まで叩きつけられます。そしてその不可能性さえも。

なので、答えを知ることは、自身の失敗を避ける大事なことなのです。

このあたりの話も含めて、もっともっと深堀している一冊なので、ご興味がございましたら是非読んでみることをお勧めします。

終わりに

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

久しぶりのまともな書評でしたが、お楽しみいただけましたか?よろしければリンクからのご購入をよろしくお願いいたします。

今は体調や本業との兼ね合いもあり週1ペースにはなっているのですが、是非他の記事もご覧いただき、次の記事でもお会いできることを楽しみにしております。

  1. 可笑しいな。ここは本来書評がメインのはず……いつから雑記ブログになったんだ。 ↩︎
  2. 時間の流れが速い……コレが……老化……? ↩︎
  3. ここ、一応IT畑の人間としてはAIって書きたくないんですけど……この本だとAI表記なんで……正しくは生成AIですね…… ↩︎
  4. このあたりとかで話したんですけど、ぶっちゃけ今も活字中毒は変わらんです。じゃなかったらこんなブログしとらんし…… ↩︎
  5. どういう理屈なのか説明する、と言わないのは、コレが答えとは限らないため。作者さんも批評がお好きなようなのであえて答えを求めたくはない。 ↩︎
  6. にじさんじ所属のVTuber、月ノ美兎さんです。ご興味があれば是非 ↩︎
  7. これも記載がありますね。このあたりはよく界隈をご存じの方だなと ↩︎
  8. これ出てくる上位互換が普通に詐欺だったりするのも問題でえ……仮想の超人を目指してぶっ壊れるとか目も当てられなくてえ…… ↩︎
  9. 所謂親ガチャってやつですわ。いやまあ……ないとは言わんけどそれを言ったらダメな層ってやっぱりいる訳で。おっとそろそろ口を噤んだ方がよさそうだ。 ↩︎

コメント

  1. minakabe より:
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