皆さまこんにちは。水壁でございます。
本日は前回の投稿に関連し、佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)の公式図録として販売されている本を紹介させていただきます。
作り方を作る
毎度恒例リンクは以下になります。


図録と聞いて、知っている方であれば凡そ読み物ではないと思われるでしょうが、こちらの本、あえて言葉を選ばずいうのであれば名ばかり図録でございます。
いえね。一応図録としての要素はあるんですよ。全体の一割くらいですけど。
書評
一言で感想を述べるのであれば
クリエイターは全員読め。
これに尽きます。もっと細かいことをいうのであれば、感性だけでなく理論を使える、論理的な思考力を持つタイプのクリエイターは、全員読んでほしいというものです。
前項でも述べましたが、この本は名ばかり図録です。自伝とか自己啓発書とかの方がまだ近い。故にあえて筆者がこれを分類するのであれば、作品の作り方手引きであると考えます。
今回の展示会及びこの本の著者である佐藤雅彦が作品を作る時の思考法、アイデアの導出方法、ルールといったものが事例と一緒に書かれています。
佐藤雅彦は天才(ここでいう天才は、閃きやセンスといった生来の感性を指します。)です。そこはどうあがいても事実として存在しています。しかし、その手法はその天才性以外の部分は再現性があるのです。
所謂天才の独特の感性で、真似できない、再現性がないというわけではないのです。というのも、書籍のタイトルにもなっている「作り方を作る」というのが肝なのです。
この本においてもそうですが、佐藤雅彦は既存のルールをぶち壊すのが好きな節があります。何をどうしたら図録をクリエイター入門書にしようと思うのでしょう。
そのルールをぶち壊したいというのは一旦置いといたとしても、佐藤雅彦の創作は「ルールから作成されている」のです。
何を基にして作成するか、何を伝えるか、といったアイデア部分は天才性に起因するので真似できませんが、この「ルールから作る」という手法はこの本の中で体系化されています。
現在ではピタゴラスイッチをはじめとする教育番組に携わっていることもあり、なんとなくわかるかもしれませんが、この本の中で、本当にやりたかったことは教育だ、と書かれています。
そして、教育に関わりたかったというだけあって、挿絵などの部分に思考法の図示があったりと、少なくとも読んで理解することが可能なものになっています。
と、ここまで書いてきましたが、要は
「天才の手法が体系化されてる本だよ!自分のものにしたくね?」
ということでございます。人の経験を廉価とはいえコピーできる。本の醍醐味の一つだと私は思います。
終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。前回の横浜美術館の展示、という部分はどうしても距離などの問題から、万人に薦めることは難しい部分がありました。
ですが、こちらの図録に関しては今の時代通販で購入可能。是非、是非読んでほしい一冊でございます。
普段より喧しい推薦となりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今後とも続けていこうと思いますので、機会があればよろしくお願いいたします。
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