本の感想:我らが隣人の犯罪(古本:1993年1月)

書評

皆さまこんにちは。水壁でございます。本日は普段の実用系の本ではなく、小説の書評になります。

コラムにて乱読を取り扱った以上、小説も取り扱っていこうと思いますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。

我らが隣人の犯罪

こちら古本になります。BOOKOFFさんなどの古本屋で安価で取り扱っておりますので、そちらで購入することをお勧めいたします。

こちらに表示している画像ですが、新しいバージョンのもので、私が読んでいたのは旧バージョン。ソファに白い犬が横になっている表紙のものです。

内容に差異などはないとは思いますが、気になるようであればそちらの購入をご検討ください。

書評

皆様は、ふと殺意を覚えたことなどありますか?
念のため言っておきますが犯罪教唆というわけではなく、人間の自然な情動として「コイツ……」と考えてしまうことはなくはないと思うのです。

そういった情動は一般的に善良な人々であれば、法律の抑止力や自身の良心に従って消化されることでしょう。
消化の仕方は人それぞれでしょうが、私は疑似体験することをお勧めしたいです。

今回取り上げた本「我らが隣人の犯罪」は文春文庫より、宮部みゆき作として出版された短編集です。

収録されている作品はどれも犯罪に関しての話であり、一般的な推理小説とは異なるものでございます。

殺人のような通常大きなニュースになるものから、脱税、盗難、果ては不倫という極々スケールの小さいものまで。いくつかピックアップこそされてはおりますが、それぞれ違った方面からの犯罪についてのアプローチを見ることが出来ます。

これらの物語において、語り手によって注目される犯罪は、基本的に社会構造や日常のトラブルから発生します。ええ。私たち読者も同じ状況にならないとはとても断言できないシチュエーションです。

故に共感性が高く、短編集であるがゆえに気軽に読み進めることのできる作品です。

私自身宮部みゆきさんの作品が好みなのも含めて、多少色眼鏡の入った評価とはなりますが、古本であること、元々の値段がそこまで高くないことを踏まえまして、是非読んでいただきたい作品だと考えております。

その上で、もしお気に召されましたらこちらの記事にてちらっと触れた「ソロモンの偽証」についても是非読んでいただきたいと存じます。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。今回は古本の小説ということで、普段の紹介で取り扱うものとは毛色の違うものとなっていましたがいかがでしたか?

小説に限らずではあるのですが、作品のジャンルをある程度揃えた時に、作者の色を強く感じることがあります。そういった、この作者だから、という味を楽しむためにも是非いろいろな本に出会い、読み進めていただければと思っております。

また読みに来てくださいますと幸いです。

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